隣の席のオオカミ!【完】
「……葉山君」

「あ? だから」

「大好き、……だよ」

黙れって言ったのに、私がしゃべるから怒ろうとしたみたい。

だけど、私が顔を赤くして大好きって言ったら、葉山君の方が黙っちゃった。


「……ッたく」

しばらくして、葉山君は頭をかいた。


「知ってるっつーの。けど……、今、言うなよ」

そう言う葉山君の顔は、ゆでられたタコみたいに真っ赤だった。


「めちゃくちゃにすっけど、いいのかよ」

「……葉山君の好きにしていいよ?」

自分でもびっくりするくらい、大胆なセリフだと思った。

だけど、大好きな葉山君に触れられるなら、なんでもいいって思えたの……。
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