隣の席のオオカミ!【完】
唇が離れるとき、チュッと音を立てた。


「オレの知ってるヤツでも、笑顔見せんな」

「え……っ?」

「アイツに笑顔見せすぎっつってんだよ」

「……あ、そーいうこと……」

相変わらず、ヤキモチ焼き……。


「……ごめんね。でも」

「口答えは許さねェ」

葉山君はまた、唇を重ねてきた。


「葉山君!」

キスが終わったときに、大きな声を上げる。


「アイツ、軽ィんだよ」

「え?」

葉山君は急にそう言った。


「それが厄介なんだよ、アイツは……」

た、確かに、軽いなぁとは思ったけど。
< 140 / 156 >

この作品をシェア

pagetop