隣の席のオオカミ!【完】
「もー限界か?」

息切れが激しくて。

うつろな目で、葉山君を見つめる。


「初めてなんだ?」

「う、うん……」

葉山君の手が伸びてきて、私の顔を触る。


逃げなきゃ。

そう思ってるのに、体に力が入らない……。


「抵抗、しねェの……?」

あ、あの。

できないんです……。


「しねェなら、やっちまうぞ……」

つぶやくと、また、葉山君の顔が近づく。


 ──もう、ダメかも……!


私は目を閉じた。
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