隣の席のオオカミ!【完】
「誰って。よくやり合ったじゃん」

相手はニヤニヤしながら言う。


「覚えてないけど。なぁ、裕典?」

「ああ。弱ェヤツの顔は覚えねェ主義だかんな」

「あぁ!? バカにしてんじゃねーよ!」

それが合図だったように、相手側が一気にやってきた。


私は近くにあった電柱じゃなくて、その奥の電柱に身をひそめる。


葉山君と稲田君は、瞬く間に倒していく。


その2人の顔は、とてもにこやかだった。


もしかしたら、久しぶりに2人でケンカができたのが、うれしかったのかもしれない。
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