隣の席のオオカミ!【完】
「裕典。未央ちゃんと話したいことがあるから、俺が送るわ」

稲田君は葉山君の家に着くと、そう言った。


「そうか? じゃあな」

「おう」

「じゃあね、葉山君」

稲田君と私は葉山君と別れた。


「で? 何、話って?」

「ん。俺、未央ちゃんが好きになっちゃったかも」

「……え?」

稲田君は軽い口調で言う。


「裕典のそばに置いときたくないくらいに」

「え、……え? 稲田君、ちょっと待って。いきなり、言われても」

「別に返事しなくていいよ。ただ、言っときたかったんだよね」

稲田君はずっとニコニコしながら話してた。
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