隣の席のオオカミ!【完】
~エピローグ~
 
 ~エピローグ~


「お前、大地に何言われたんだよ」

「え?」

その翌日の昼休み。

屋上でお昼をとっていると、葉山君が唐突に聞いてきた。


「何もないよ。もう、ホントにヤキモチやきなんだから」

「言わねーなら、強硬手段しかないか?」

葉山君の顔がぐっと縮まった。


「き、キスはもういいよー!!」

「は?」

私は葉山君の胸板を押して、制止した。


「は、葉山君のキスって気持ちいいから……っ。私、キスだけじゃ、満足できなくなっちゃうんだもん……」

私は顔が真っ赤になっていった。


それからしばらくして、葉山君がはっ、と笑った。


「だったら、最後までしてやるよ……」

「え?」

「未央が満足するようなコトを、な」

「え……」

葉山君の笑みがだんだん、さらにゆがんでいく。


「ま、未央が満足しても、俺は満足しねーだろうけどな……」

──彼はそう言って、私にキスをしたんだ……。

彼はやっぱり、オオカミらしい……。


 -fin. -
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