隣の席のオオカミ!【完】
「私、かわいくないし……」

女の子はかわいいほうがいい。

だけど、私はかわいくない。


「何言ってんだ。十分、可愛い」

「え……?」

「だから、言ったろ。少しは気楽に考えろって」

首にあった手が、私の手に移動してきた。


「オレが教えてやるよ。ホントの恋愛を、な?」

葉山君は私の手を上げて、甲にキスを落とす。


「ちょ、葉山く……」

「なんなら、オレでもいいんだぜ? 好きなヤツ」

「……! ぜ、絶対、やだー!!」

私の声は、鐘の音ともに響いた。
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