隣の席のオオカミ!【完】
「葉山と話してて、なんか感じないの? 楽しいとか」

話してて……?

まあ、特にない、かな?


「特に、ない」

「そう? 少しも?」

う、それはわかんないけど……。


「少しは、意識してみたら?」

「意識する……?」

『意識する』ったって、どうすればいいのか、わかんないよ~。


私が頭を悩ましてると、初音は肩に手を置いた。


「ゆっくりでいいんだってば。急ぐと、見失っちゃうことがあるわけだから」

ゆっくり、か。

葉山君とのことも、ゆっくり考えてみようかな……。
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