隣の席のオオカミ!【完】
「そんな言い方しなくたって、いいじゃん」

確かにバカな行動だったかもしれないけど。

それでも、葉山君にケンカしてほしくなかったし、ケガもしてほしくなかった。

 ……ただ、それだけなのに。


私は太ももの上で、手を握った。


「ごめんなさい……っ」

手の甲に、水滴が落ちた。


だんだん、目じりも熱くなってきたと思ったら、泣きはじめてしまう。


「バッ……!? 泣くなよ!」

私の行動に気づいたのか、葉山君は驚いた顔をする。
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