隣の席のオオカミ!【完】
生徒会長は眉をピクッと動かした。


「約束?」

「あぁ。桐谷さんを守るってな」

と葉山君が言うと、生徒会長の表情が柔らかくなった。


「ふーん。まあ、せいぜい、がんばれよ」

生徒会長は手をひらひらさせて、屋上を後にした。


「い、いいの?」

「いーんだよ。それに、言ったろ? 守るって」

葉山君はほほえみながら、言った。


「その代わり、褒美はよこせよな」

「ご、ご褒美って、デートだけじゃダメなの?」

そう訊くと、葉山君はずいっと顔をドアップにした。


「オレは、桐谷さんのキスがいーんだよ」
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