隣の席のオオカミ!【完】
「──桐谷さん」

「はい? ……あ」

教室に向かおうとした途中、生徒会長に呼び止められた。


「ちょっと、話があるんだ。いいかな?」

「私も、生徒会長に用があったんです」

私がそう言うと、生徒会長は小さく笑った。


何がおかしいの?


「お互い、いい話ができそうだな。じゃあ、生徒会室に行こうか」

生徒会長は私に背を向けると、歩き出した。

私はその背中を追うように、歩き始めた。
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