隣の席のオオカミ!【完】
「──クソ、どこ行ったんだ?」

男の子たちは、周りをキョロキョロと見回している。


私は茂みに隠れていた。


「桐谷とデートしてぇ……」

「はぁ!? 俺とだよ!」

そんなケンカが聞こえつつ、声は遠のいた。


はぁ……、生徒会は何を考えてるの?


 ──て、ターゲットは私自身なんだから、私だけゴールしてもいいんじゃない?


うん、きっとそうだよ!


「……捕まえた」

「え?」

いきなり両手を捕まれ、そして手首をはちまきで束ねられてしまった。
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