隣の席のオオカミ!【完】
「桐谷さんも、似合ってる」

「え? ……あ、ありがとうございます」

会長にほめられちゃった……。


ちょっと、うれしいかも。


「じゃあ、入るか」

会長は私をリードするように、ゲートを先に通った。


「ところで、行きたいところはあるか?」

「え? あ、ない、です」

「そうか」

会長はマップを広げて、位置を確認している。


 ……あれ?

会長って、入ったことないの?


「あの、会長?」

「ん?」

「会長って、ここは初めてなんですか?」

質問すると、会長の顔が少し赤くなった。
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