隣の席のオオカミ!【完】
「アンタのことを理解するの、大変だな」

「す、すみません」

って、けなされてるのに、なんで、謝ってるの。


「……いつの間にか、日が暮れてきたな」

会長は夕陽の色に染められた空を眺めて、つぶやく。

私も、夕焼け空を見上げた。


「最後に、観覧車に乗るか」

そう言って、会長は私に手を伸ばしてきた。


「え?」

「手だ、手」

会長は強引に私の手を取って、握った。


「えっ、あ、あの?」

「今日はもう少しで終わるんだ。最後くらい、恋人らしいことをしたいだろ」

会長は少しだけ、顔を赤らめた。
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