隣の席のオオカミ!【完】
「葉山君……」

今なら、言える。

私も……。


私は唇を噛みしめた。


「は、葉山君! 私っ……」

「は……?」

言わなきゃ。

私も、葉山君が大好きだって……!


「私……」

ドキドキと心音がうるさい。

顔も熱い……。


でも、言いたい……。


「葉山君のことが……」

「──きゃあぁっ! 何してんのよ!」

「ヤベ。逃げんぞ!」

さっきまでしていたカップルが私たちを見つけた。


葉山君は私を起こし、走って屋上を後にした。
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