最愛の人へ。













『最後にギュってして』



そう言ったら貴方は、
強く抱きしめてくれました。


それまで頑張って笑っていたのに
泣きたくないって思ってたのに、
私は涙が止まらなくなりました。



「最低なやつでごめん」



貴方は何度もそう言いました。



『もらったキーホルダー、
付けたまんまでいい?』



「うん」



『携帯に貼ってあるプリクラも』


『お揃いのネックレスも』

『2人で写った待ち受けも』


「…うん」



泣きすぎて、
ちゃんとしゃべれなくて。




『…好きだよっ』



どうしても伝えたくて。



「…ごめっ『ありがとうって言って』




「…ありがとう。」



貴方からのごめんは
聞きたくない。











< 54 / 74 >

この作品をシェア

pagetop