家族☆ごっこ★
彼の事情
後ろ髪引かれる思いで待ち合わせ場所へ向かう。

まだ先輩は来てないようだった。
五分前だけどね……。


停まっていた黒い車の窓が開いて

「ここちゃん。」と声をかけられた。

「え?」

「乗って。」覗き込むと柴田先輩だった。

「乗ってって・・・。」

「免許とりたて~~早く早く乗って。」
 
先輩のペースに巻き込まれてついつい助手席に乗り込む。

「来てくれてうれしいよ。」

車のエンジンがかかってゆっくりスタートする。

「来てくれてって…用事終わったらすぐ帰ります。
用事あるから。」

「会ったばっかりで帰る話するって 冷たいな。」

「柴田さん どういうつもりですか?
私を誘うのって何か意味あるんですか?
彼女って人に めっちゃにらまれたし・・・
全然関係ないのに…迷惑なんですよね。」

「やだな~~彼女づらして…そういうことするやつ。」

「彼女づらって…普通彼女なら気悪くしませんか?
他の女にちょっかいかけて。」

「面倒くさいな。だから女ってやなんだよね。
友達がいいよ。ね?ここちゃん。」

なんなんだ・・・この人・・・。
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