家族☆ごっこ★
信之介が眠って 光が片付けを手伝ってくれた。

「ありがとう。」

「協力しないと俺ら平等だし。」笑う光にキュン……。

朝のことが頭によぎった。

でも…そんなこと聞けるはずないし…
聞いちゃダメだって思った。

「おかあさんもお料理上手だった?」

「働いてたからいつもチンだったけど
琴子よりは下手くそかな。ただいつも一人だった。
今は一緒にご飯食べられる家族がいて楽しいかな。」

「私もそうだったな。おばあちゃんはいたけど…
やっぱり親がいない食卓は 味気なかった。」

「いろんな事情があるかもしれないけど 
俺は大人になったら絶対自分の家族を大切にしたい。
今みたいに食卓を囲んで 美味いとか今日こんなことがあったとか
家族と笑い合いたいな。けっこう理想。」

「私もだよ。みんなはあたりまえのように
そう過ごしているからありがたみなんてわかんないんだろうね。」

親の都合で 孤独に生きてきた
光と私・・・・・。

家族ごっこでも
最高に幸せな気分になれる・・・・。


一人じゃないから。
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