家族☆ごっこ★
あんまり笑うから
「違うの?」と聞いた。

「ほんと 今さら遅い親想いって感じかな。」

「遅い?」

「ほんとさんざん泣かしてきたんだかあさん。
働いて俺をくわせて 育てて ボロボロになってるのに
泣かせて 悩ませて… 俺は子供の仮面かぶった鬼のような奴でさ。」

意外な言葉だった。

「今 かあさんに幸せになってほしいってそう思ってるのは
罪ほろぼしなのかもしれないな。」

「いいじゃん 今 親孝行してんだもん。」

「そっか いいのか。」
光が今度は 優しく笑った。

「私なんて親孝行もしたことないし 親不孝もしたことないよ。」

「じゃあ 小野崎さん戻ってきたら親孝行してあげなよ。」

「え~~やだよ。どんな人かわかんないし・・・・。
私の人生で 悪い男とインプットされ続けてきたんだもん。」

「小野崎さんのおかげだよ。
俺がかあさんに 素直に優しくなれたの。」

「そうなの?」

「あの人が俺と向き合ってくれなかったら俺はまだ
かあさんを泣かせて・・・・俺に関わる人たちを不幸にしてた。」

光の過去が少しだけ 見えたような気がした。

「うちの父親って人とあんたのおかあさんって
どうやって知り合ったの?」

自分の父親のことも知りたくなった。
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