家族☆ごっこ★
いつもと変わらない光。

「何?俺の顔になんかついてる?」

「え?」

「さっきから琴子の視線 ビンビン感じるんだけどさ。
俺がいい男だってんのはわかってるけど
琴子もそう言う目で俺を見てるの?だったら意外だな。」

「な・・・私はそういうナルシストは嫌いなの。」

「信之介~~~嫌いって言われた~~~ぁ。
琴子ハッキリ言いすぎるんだよな。傷つくな~。」

信之介は最近つかまり立ちを始めて 
目が離せなくなってきていた。

「信之介に愚痴んのやめてくれない?
小さい子供の脳に植え付けるとトラウマになるんだよ。」

「信之介にはきちんとした教育をして
しっかりした奥さんを見つけて 最高に幸せな家庭を
築いてもらうんだ。それが俺の夢。」

「え?自分は?」

「俺?俺はダメ。あたりまえの幸せにはなれそうない。」

それってあたりまえの恋ができないってことで?

「そんなのわかんないじゃん。
まだまだうちら若いんだよ。一杯恋をして
愛する人を見つけて 温かい家庭を作る。
信之介もだけど 私もあんたも幸せにならなくちゃ。」

「そうか・・・・だよな~~。
俺はついつい今が幸せすぎて…もういっかぁって感じ。」

「幸せ?今?」

「うん。めっちゃ幸せ。」

ねぇ そんな顔して笑わないでよ・・・・。

「琴子と信之介がいたら 他には何もいらない。」


家族として・・・・・だよね。


「あ そ。」

涙が出そうになって 光に背を向けた。
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