家族☆ごっこ★
冬休みに突入。
大野さんの仕事っぷりを見ながら過ごす。

「ほらほら 琴子さんも勉強してくださいよ。」

「はい~。だけど大野さんのお料理とか
勉強になるんだよね。
いい奥さんになるための お勉強~~。」


「琴子さんも小さい頃から よく躾けられてるんですね。
後片付けなんかや 朝来たときシンクが
ピカピカだし…なかなかそんなことしませんもの。」

「キッチンはピカピカだとテンションあがりますよね。
他のとこには無頓着だけど
キッチンだけは 女の城だから。
それにこんな立派で磨きごたえのあるキッチン
大切にしなくちゃ。」


信之介がヨタヨタしながら私の方に向かって
満面の笑みで歩いてきた。

「信之介~~おいで~~」


手をひろげる。

「コッコ……コッコ…。」

「あれれ?今…コッコって言った?
聞いた?大野さん!!」

「いいましたね~でも私のことは
もうちょっと早くに呼びましたよ。」


「アー・・・ンア……。」


「私 大野敦子っていうんですよ。
ね~~信之介さん~~。」

信之介は方向を変えて 大野さんに飛び込んで行った。

「うわ~~光が知ったら泣きそう~。」

雪だらけの冷たい風景
だけど温かい我家だった。
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