家族☆ごっこ★

「私も光も　輝紗貴を救えるのは先輩だと思ってます。」

「え？」

先輩は表情を固くした。

「俺が？光が言ったのか？
あいつは輝紗貴から逃げるのに俺を使ってるんだ。
第一　俺が何かをできてもそれは親戚だからってことで
輝紗貴との間にどうしてもそれ以上のことが
あるとは思えない。」


「光は・・・・傷ついて来たの知ってます？
あなたと輝紗貴の鈍感さがどれだけ残酷だったか。」

「残酷って……。」

先輩が笑った。

その顔を見て　むしょうに腹が立ってきた。

「二人に挟まれた　光が　どんな気持ちで
輝紗貴から身を引こうと苦しんだと思います？
逃げる？光は輝紗貴を好きだったし
そんなつもりもなかったんだと思います。
たとえ　親の結婚でこっちに来ることになったとしても
輝紗貴がいたらきっと来なかったと思います。
逃げるって言葉撤回して下さい。
あなたと輝紗貴に振りまわされてきた光が
可哀そうです。」

腹が立って
この鈍感野郎が・・・・・

どれだけ光が二人の想いが繋がってることに
傷ついたのか全くわかってないんだもん。


「輝紗貴はあなたを必要としてます。
いつもそばにいる存在だから気づかないように
大切にしてるんだと思います。
輝紗貴の気持ちはよくわかります。
今の関係を壊したくない…それが一番怖いんです。」