家族☆ごっこ★
しばらくおしゃべりをして
二人は帰って行った。


あきらかにあれから輝紗貴は動揺している。


「輝紗貴は聞いてなかったの?」

「知らない。ここちゃんは知ってた?」

「ううん。私はそんなに先輩とは親しくないもの。」

「淳くん 何も言ってくれなかった。」


思いきって切りだした。

「輝紗貴は 先輩が好きなの?」

「え?」ものすごく驚いた顔。

「だってすごいショックって顔してるから。」

「好きって…お兄ちゃんとして……
だっていとこ同士だもん。小さい頃からずっとずっと
優しくしてもらったし
どれだけ淳くんに支えてもらったかわかんないよ。」

「輝紗貴はね 好きなんだよ。
でもいとこ同士っていう壁を越えられないでいる。」

輝紗貴は目を丸くして私を見る。

「そんなことないって。」

「輝紗貴とはまだ付き合いが浅いけどそれでも
輝紗貴の言葉から出てくる先輩は
特別に感じるんだもん。」


「だっていとこだもん・・・・・。」

「そうなんだよね。
いとことして過ごしてきた道が
あまりに大切な時間だから……壊したくないよね。」

輝紗貴の気持ちはよくわかる・・・・。
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