家族☆ごっこ★

「家族でいいってもし私が気持ちを
伝えてしまったら　全部が壊れてしまうような
恐怖感で　言えなかった。
言葉や気持ちのすれ違いがあっても……
あなたが好きって言っちゃえば　解決できるのに
怖くて言えなかったの。
今の関係を壊したくない……。ずっと勇気が出なかった。
あの人は私を家族として大切に想ってくれる。
それは信之介と同じくらい…
それもいいかなって……胸のときめきを
必死におさえてきたけどね……。」

「うんうん　それで　それで？」

「あるきっかけが…あって
あの人も私と同じ気持ちだったってわかったの。」

「え？じゃあ？ここちゃん！！！」

輝紗貴は本当に嬉しそうな顔で
私は胸が痛んだ。


「うん　両想いだった。」

「素敵！！」輝紗貴は私を抱きしめた。

「そうなんだ。よかったね。
勇気を出すきっかけはなんだったの？」


輝紗貴だよ・・・・。


「彼には昔　とっても好きだった子がいたの。
二人はお互いとっても好き合ってたんだけどね
その子の心の中に　もう一人の誰かがいるのを
知ってしまったんだって。
でもその子は　その誰かがどんなに大切な存在かに
全く気づいてなくて……
その誰かは　彼の友人だったんだって。」


輝紗貴は神妙な顔で私の手をまた握った。