家族☆ごっこ★
辻さんは姿勢がよかった。
スーツパンツがよく似合っていた。

「辻さん 姿勢いいですね。」

「気をつけてます。私も一生懸命仕事して
いい下着をつけてますよ。」と 笑った。

それから洗顔や化粧水や乳液にクリームに
最低限のメイク道具も買ってくれた。


髪の毛のスタイリング剤なんて使ったこともない。

「今度の学校はけっこうお洒落な子が
たくさんいますよ。」

「そうですよね。地下鉄で何度か見たことあります。」

「琴子さんも一員になるんですから
頑張って下さいね。」

「私なんて…貧乏くさいから…
うまくやっていけるのかしら。」

「見栄張ったってダメですからね。
自分のスタイルをしっかりもって それには
自信をつけないとダメですよ。」

「自信 まったくない・・・。」

「これからです。」
辻さんはニッコリ微笑んだ。

「いろいろ教えてください。」

「私でよければ。」

なんだかホッとした。
頼れるおねえさんができたような…。

「まだまだ歩きますよ。先に食事しましょうか?」

お腹がちょうどグーーと鳴った。
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