家族☆ごっこ★
帰るともう大野さんはいなかった。

「琴子~~腹減ったよ~~。」

ソファーであおむけになって胸に信之介を乗せている。

「今日は何だったの?」

「ハンバーグだよ。焼くだけ。」

時計は七時を回っていた。

「今まで私が来るまで あんたどうしてたの?」

「自分でやってた。」飄々と言いのける。

「じゃあ自分の分だけでいいから焼けば?
待ってられたって迷惑だよ。
これから学校始まったらいっつも私が早いって
限らないでしょ。」

「部活すんのか?」

「あ いや まだ決めてないけど…。」

「じゃあするな。」

「は?何で?」

光は信之介の背中をトントンしながら

「腹減ったよ。琴子~~。」

みんなこいつに騙されてるんだわ。

「自分で焼けば?」

そう言いながらも二人分焼いてる私がいる。
光に巻き込まれて行く・・・・・・


それはよくわかっていた。
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