家族☆ごっこ★
「だって家がまともじゃないでしょ?
小さい頃に離婚されて おかあさんは早くに死んで
私がおぼえてるっていえば おばあちゃんとの生活と
おじ家族との肩身の狭い毎日で
あたりまえも知らないのに いい奥さん いいおかあさんなんて
なんか自分で言って笑っちゃったわ。
何もしらないくせに・・・って。」

「簡単なことじゃないよな。
だってそれができなくて俺らの親は離婚して
子供の俺らはそれを回避できずに 振りまわされてきた。」

「そうなのよ。ほんと親を選べないからね。
っていっても親も子供を選べないけどね。」

おかしくてまた笑った。

「俺だって 琴子と同じだよ。
だから幸せになりたい。奥さんと決めた人と
一生一緒にいて 家族を増やして 巣立たせて
老後も手をつないで歩きたい。」


光の目が優しく感じた。


「うん 本当だよね。私も同じだよ。」

なんだか心が通じてすごく嬉しかった。
同じような環境で育った光と私
夢は同じなのかもしれない。



「琴子とならうまくやっていけそうだよ。」

「え?」

光は私がナイフで切ったハンバーグを
とって自分の口につっこんだ。


「あ~~~!!!」

楽しい食卓・・・・・なんだか幸せ。
< 46 / 271 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop