家族☆ごっこ★
「今日はあんた 自分のベットで寝てよ。」

風呂上がりの光に声をかけた。
また心臓がドキドキし始める。

「今日の当番は琴子か。」

「ずるいからね。昨日みたいなの。」

「でもさ 信之介泣かなかっただろ?」

そう言えばそうだった。

「やっぱぬくもりなんだよな。小さい時は体が全身で
親の愛を求めてるんだよ。
信之介もやっぱ不安なんだよな。」

りんごジュースを可愛い手で挟んで飲んでいる。

「おかあさんと離さない方がよかったんじゃないの?」

「そうかもしれないよな。
だけどそうしちゃったんだから
俺らが責任もって親代わりになる。」

「俺らがってね…あんたが勝手にしたことだし。」

「俺らの親のしたことだよ。
俺はかあさん 琴子は小野崎さん。
お互い親のやったことには責任を持たなきゃ。」

「あんたって寛大だね~~
私は父親を知らないから 父親のやったことの
責任とるとか なんかイヤかな。」

「子供には罪ないし・・・。
俺ら見たくしたくないんだ。」

「確かにね。」

寂しいって思いしかなかったよあの頃は。

光もきっと寂しかったんだろうな。
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