【完】あなたの傍で・・・何色に染まりますか
「おーい。久しぶりだな…潤。」

『なんだよ。お前かよ。病院はどうしたんだよ。』

「ああ。今日は夜勤明けだ。」

『だったら、さっさと寝ろ。』

「ふーん。そんなこと言うんだ。
 七瀬さんの指に面白いものついてたんだけどな…」

『はぁー?なんだよ、おもしれぇーもんって』

「すっげぇー、七瀬さんらしくない趣味の悪い指輪…」

『趣味わるくねぇーし。ってあいつはめたまま仕事に行ったのかよ』

「すっげけー大事そうにしてたぞ…
 周りからも、なんでって顔されてたしな。
 俺の同僚なんか…七瀬さんに彼氏したんだ?って残念がってたぞ」

『あー。あいつそんなに病院でもててんのかよ!!!』

「まあね。彼女狙いの奴なんて片手じゃ収まらねぇーと思うぞ
 正直…本人は全く気がついていないのが、笑えるけどな…」

『そうだろうな…真面目な顔して、私もてませんから・・・とかいうし』

「彼氏も大変だなぁー…でも、指輪を付けて行ったのは正解かもよ。
 指輪みたら男どももさすがに声はかけにくいみたいだしな…」

『今まで声かけられてたんかよ?』

「ああ。飲みに行こうとか、一緒に温泉でも行こうとか…
 あいつら本気で男として誘ってんのに、
 七瀬さんは・・・「いいですね。楽しみです。みんなで盛り上がりましょうね」とか言ってんだぞ。誘った男どもも困り顔だったりしたよ。」


『確かに…あいつは鈍感というか。。。天然だからな。
 あいつを捕まえておくの大変なんだよ。
 まっ、あいつも少ししたら、七瀬じゃなくなるし、落ち着くだろ』


「まあな…って七瀬じゃなくなるってどういうことだ?
 もしかして、潤の嫁になるって言うわけじゃないだろうな…」

『それ以外に名前変わられたら、俺…キレるぞ。
 俺たち、結婚することにしたんだよ。
 もう、お互いの両親にも話済んでるし・・・』

「マジかよ、潤が結婚とかありえねぇー。
 潤分かってんのかよ…女遊びできなくなんだぞ」

『分かってるよ。それに今だってしてねぇーし。』

「お前…マジかよ。ってことは相当七瀬さんがいいんだなぁー・・・」

『なんだよ、あいつは全部いいんだよ。体ももちろんな…
 俺にはあいつ以外いらねぇーよ。
 あいつを失うかもしれないリスクを背負ってまで、
 他の女の相手なんかできるか』

「潤がねぇー…まっ。面白いこと聞かせてもらったし、帰るわ・・・」


そして、帰って行った・・・・


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