【完】あなたの傍で･･･何色に染まりますか

和人が私の半年前の出来事を話し始めた…

それに怒ったのは、院内の状況を知っている米田先生…

「なんだ？それ…プロパーの癖に…生意気な態度しやがって…
　もしかしてシニア製薬の奴じゃないの？それって…」

『なんでそれ…』

「そういうことか…半年くらい前から、担当が変わったでしょ。
　ぺいぺいに近い奴から、課長に担当が変わったからなんでだろうと思っていたんだよ。きている課長もいつも以上に腰が低いし…

　多分…院長は知っていたんだよ。
　それでも…七瀬くんが仕事に忠実だから、院長も何も言わない。
　ただし、やった奴には罰を与えたってとこでしょ…」


『そんな…院長に知られていたなんて…
　でも院長は私を疑ったりしないし、今まで通りでしたよ。』

「それだけ、七瀬さんを信頼している証拠でしょ。
　院長からそれだけの信頼をもらっている七瀬さんがうらやましいよ…」

米田先生は、天井を見ながら、つぶやいていた･･･

私は恥ずかしさとともに、院長からの信頼を裏切らなくてよかったと思った


「まっ。アヤってこんな奴だし…なっ。そんな奴のこと忘れちまえよ。」

和人は相変わらずの口調で私に声をかける…

それが一番ありがたい。何も変わらないのが…






そして…
静寂を破るようにドアの音が響いた…