【完】あなたの傍で・・・何色に染まりますか
「俺らは、油まみれになりながら、車いじってるから…
 そんなお嬢さんたちと出会うこともないからな…

 まあ…そんなお嬢さんたちは俺たちを見ても避けていくけど」


『そんなこと変です。頑張って働いているのに…
 少なくとも私は、油まみれの手は好きです…仕事している手だから。』


「お嬢さんに初めてそんなこといわれたよ。おもしれーな。あんた…」

潤さんは本当に楽しそうに笑っていた・・・

「でしょ…こいつとは高校からずっとつるんできたんですよ。
 天然で…鈍感で…俺は父親になったような気分でしたよ。」

『父親?それひどくない。」

「ひどくない。俺と達也と愛華でどれだけお前の世話してきたと思ってんだよ。街でナンパされてんのにも気がつかないで、本気で道案内しちゃう奴がよく言うよ…」

「「マジで…それはひどいかも…」」


『うー。それは言わないでほしかった…』

「ははは…まじでおもしれーな」

みんなもおおうけだった。


『米田先生…他の先生には内緒にしてくださいよ。恥ずかしいから』

「じゃあ…今日の酒盛りのことは内緒で…」

『もちろんです。お互いに…』


面会時間をとっくに過ぎているので、解散となった。

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