【完】あなたの傍で・・・何色に染まりますか
院長は私に面倒を見てほしいと言ったけど…

何をすればよいのかの具体的な話はしなかった…


まぁー。何かあれば、言ってくるだろうと思って日常業務をこなしていた。


内線がなり、院長が外科医局の隣のカンファレンスルームへ来るように言う…

私が行くと、そこには背の高い男の人が立っていた。

すぐに、院長の言っていた先生だと分かった…


「はじめまして、外科の高木です。高木竜司(タカギ リュウジ)です」

『はじめまして、秘書をしております。七瀬です。よろしくお願いします』


簡単な挨拶を済ませると、院長は飛んでもないことを言い出した。

「七瀬くん…君、竜司をみてどう思う?」

どう思うって???

『院長…どう?とはそういった意味なのでしょうか…』

「ははは…七瀬くんらしい質問だな。君は賢い。
 君の旦那様としてはどうかということだよ…」

言葉が出ない。何をこの人は???

『はっ…失礼しました。先生も冗談が過ぎますよ…』

「冗談ではないんだよ。

 どうやら、こいつは七瀬くんに一目ぼれをしたらしくてな…
 わしの秘書だと知るとうるさくてたまらん。

 まあ…七瀬くんが嫌なら、それで終わりのことだ。
 わしは、こんなことで優秀な秘書を手放したくはないからな…

 まあ…かんがえてみてくれ」


院長はそういうと、部屋を後にして外来へ戻ってしまった。

院長が外来を途中で抜けるなど、今までの私の経験ではなかったこと。

それだけ、大切な要件だと言われているようだった。

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