【完】あなたの傍で・・・何色に染まりますか
「七瀬さん…突然で驚きましたでしょ…
 まったくあんないいかたしなくてもいいものを…」

『あのストレートな言い方が、院長ですから…
 その点は気にしておりませんので…』

「すいませんでした。
 以前、学会に出席した際に、一緒にいるところをお見かけしまして…
 正直…一目ぼれでした。

 何度も、お願いして、やっと今日ここに来ることになりました。」


『そうでしたか…気がつきませんで、すいません。
 しかし、そういったプライベートな件に関しましては・・・』

「そうですよね。七瀬さんのようなきれいな方にお付き合いされている人がいないなんて、ありえませんよね…
 担当は何科の方ですか?」

『えっ?担当とは?』

「あっ…お相手は医者ではないのですか?てっきり…
 じゃあ…弁護士とかどっかの会社役員とかですか?」

『あの…すいませんが、先の読めないお話はこれで…
 私のお付き合いしている人の仕事を言う必要はないかと思いますが…』

「七瀬さんのお相手がうらやましいですよ。
 何をしていらっしゃる方かくらい教えていただけませんでしょうか?」

しつこいなぁー…

まったく。院長はこんな性格じゃないのに…


『すいません。プライベートなことなので…失礼します…』


私は、面倒に巻き込まれたと思った…
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