秘 密



それからの数日

私は返信する事に対して、迷い考え続けた。


その間に何度か訪ねたキョウのプロフ。

そこで得たキョウの情報は、年齢と誕生日と血液型だけ。
後は、入っているコミュニティーが並んでいるだけだった。


そのコミュニティーも、キョウの趣味だと思われる、音楽やテレビ番組、また、真面目な人柄を想像させるようなものばかりで、

何となくだが、それは私に安心感をもたらし、

私がキョウに返信することに対して、僅かに残っていた躊躇いも払拭していた。


それと同時に、突如、私の中に沸き起こった使命感。



何も持たない私が、誰かの役に立てるのならば……

耳を傾けるだけで、彼が楽になるのならば……


少しでも彼の心を軽くしたい。

1人で悩んでいる彼の助けに、私がならなければならない。



そして

私は返信する事を決めた。







後に、

この返信が

私の漠然と想像していたこれからを…単調な日々を


変えるとも知らずに……
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