年下男子にご用心!?

お世話係りの悩み事

「・・・千佳ちゃん、出ないの?」


携帯が着信を知らせ続ける中、大雅がキッチン前のテーブルから不思議そうに聞いてくる。


「ごめん、ちょっと手が離せなくて・・・うるさいよね」

「いや、全然いんだけど・・・」


今日に限ってサイレントにするのを忘れてた。

手を離せないなんて・・・野菜を切っているだけ。

テーブルからは丸見えだし、これじゃ、明らかに出たくない電話だって丸分かりだ。


「千佳ちゃん」

「あ、うん」


鳴り止んだ携帯と大雅の声掛けに、キッチンから鞄を置いてあるソファーに移動して、携帯を取り出す。


・・・・・・・やっぱり。


連日、掛かってくる時間は大体、夜7時から半にかけてのこの時間。
それから約1時間おき、12時ぐらいまで続く。

おかげで、履歴は同じ番号で埋め尽くされていた。


元カレの誠司に。


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