年下男子にご用心!?
ん?んんっ?

私、ちょこちょこ求められてる。

そう気付きつつ、お弁当を食べながらサラリとかわしていたけれど

思わず固まってしまった。


「あなた、私の名前・・・」

「皆さん呼んでいるので、俺もそうさせてもらう事にしました。
さん付けなしが、俺の願望ですが」

「来て早々、馴れ馴れしく呼ぶ人は居なかったけどね」

「早く慣れる為です。
でも・・・少しでも印象に残れそうで、嬉しいです」


―――少しでも・・・ね。

散々、嫌味を言って突き放してもブレない。めげないのね。

何か、呆れて笑ってしまう。


「―――はい」


テーブルに置いた水を見て、少し首を傾げながら私を見つめてくる。


「ついでよ」


そう言うとニコッと笑顔を溢して、再びご飯に手を付けていた。


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