面倒臭がり屋の恋!?(仮)



「な、んで…っ」

『クス…会社では完璧でデキル先輩。プライベートでは面倒臭がりやなダメな先輩。良いギャップじゃないですか。俺は好きですよ?』

「……ッ!!」


ギャップなんて、言い方を変えれば裏表のある二重人格者だ。

そんな人の、どこが好きになれる?


「…嘘っぱちよ?そんなの。」

『え…?』

「ギャップなんて、慣れてしまえばコンプレックスの塊。私はそれが楽なの。でも…周りはそんな私からは離れて行くわ。だから、隠してたの。」

『先輩…。』


いつだってそう。

だから私は、会社では本来の自分を隠してきたんだ。

ちゃんと働くために。

感情なんていらない。

面倒臭がりな私を見れば、誰もが私から離れて行った。

最初は皆が口をそろえて言うの。


“それも個性だよ”


って。


だけどそんなの口からの出任せだった。




< 41 / 91 >

この作品をシェア

pagetop