面倒臭がり屋の恋!?(仮)
志葉先輩はモテる。
美人だし、気が効くし、フリーだし…。
本人はそれに全く気付いていないけれど。
会社での先輩は、本当の先輩じゃなくても。
人は、目の前にあるものを信じて疑わない。
俺だってそうだ。
会社での先輩が、本当の先輩だって思って疑わなかった。
本当の先輩を目の前にして、そのギャップも良い、なんて思って、
それが先輩の心を傷つけるなんて思ってもなくて――
『俺…近々志葉に告白しようかな~、と思ってさ。』
「え――?」
『もうさ、コーヒー入れてもらえたってだけで、OKも確実だよな!?はははっ!』
マジで、このゴリラのような顔をボッコボコに潰してやりたいと思った。
アンタみたいなヤツ、茉子先輩は相手するはずねぇじゃん。
茉子先輩は、アンタみたいな面倒な奴が嫌いなんだよ!
――…って、言えるもんなら言ってやりたい。
・・・けど、
「頑張ってくださいね。」
『おうよ!』
もうフられ済みの俺には出る幕はないんだ。