叶うのであればもう一度...
「呼び出してごめんな?みんなとしゃべっとったんちゃう?」


「大丈夫。で、どうしたらいい?」



私を呼びだしたのは理科の先生の佐藤先生

みんなからは"さっちゃん"って呼ばれて人気

私もさっちゃん大好き


「この前集めたノート、教室まで頼める?」

「りょーかい。じゃあ先行ってる」


私はさっちゃんのお気に入りらしい

こうやって物を運ぶのに呼ばれるのは決まって私


もしかして嫌われてる?

なんて思ったこともおるけど、違うと思う

相談にも乗ってくれて、私にとっては優しいお姉ちゃん的存在



クラス全員分のノートは重たいけど、信頼されてると思うとちっとも重く感じひん

まぁ、重たいねんけど



「持とか?」

斜め後ろから聞こえた優しい声


「陵ちゃんっ!!」

返事も待たずに、私が抱えているノートをヒョイと持ってくれた



「半分持とか?」

全部持ってもらうのは居心地が悪くて聞いてみたけど


「何言ってんねん、普通男が持つや ろ」



アッサリ拒否された

陵ちゃんの行動に優しさを感じて嬉しくなる



「ありがと」

「ん」


お礼をいった私に、短く返事をして 笑った陵ちゃん


好きだなぁ...

ただそれだけのことなのに、愛しさが溢れる
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