eternal snow
カーテンが揺れている。


その日、
私はまっすぐ
家路を辿っていた。


夕日だ。
私の部屋が
朱く染まっていく。


引き出しから、
見慣れたカッターを
取り出す。



痛い。

…痛い。



ゆっくりと、
刃を
のばしていく。



左手の、親指の、
付け根あたり…

いや、足りない。


痛い。痛い。


切ってみる。


手首も、腕も…



――――痛い。



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