eternal snow
マサミを学校で見かけた。
誰といる時も、
口数は少ないようだった。


同じ学校にいたことすら、
知らなかった。


きっと前を見ないからだ。
何も見えないからだ。

何も、見たくないからだ。



学校でのマサミを
ぼんやり考えながら、
えくぼのできた顔を
眺める。



――――視線があった。



寂しげな、瞳。



私の、
長袖に包まれた
左腕を見ていた。



ドキッとした。
見えるわけないのに。


全部、
見られてしまいそうだ。



「さぁ、今日も張り切っていこか〜」



裸足でおじさんが入ってくる。



視線は、途切れた。



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