ウソつき恋唄
2 きらりきらり
お昼の時間、美南ちゃんのことを、もう一人の親友、佳奈ちゃんに言った。
「うそーっ!あんた、なんでミナミに雄大を譲っちゃったの!あんたばか?」
「……そうかも。」
「はぁ…」
佳奈ちゃんは、少し大袈裟におでこに手をつけて恨めしそうに私を見た。
「どうして、あんたはそうなのよ。」
「だって…美南ちゃんが相川くんを好きなんだもん。しょうがないよ…」
「しょーがなくないっ!さくらだって、雄大が好きなんでしょっ!!なら、あんただって…」
「ちがうのっ!美南ちゃんは本当に相川くんが好きなの…邪魔したら悪いよ…」
美南ちゃんの、相川くんが好きって言ったときの顔は、本当に恋する乙女だった。
美南ちゃんは、可愛いのに、気取ったりしない。だから、きっと、私が相川くんが好きって知ったらあっさり手を引く気がする。
「よく見たら、あんまりイケメンじゃなかった。」わざと、相川くんに意地悪なこと言って、嫌われようとする。
美南ちゃんは、そんな子。