俺様アイドルの甘いキス
「……んな泣きそうな顔すんな」
そんな私を見たのか、青葉くんは困ったような表情を見せる。
青葉くん…泣き虫な女の人苦手って言ってたもんな…
「大丈夫…泣かないから!」
グッと堪えながら、私は青葉くんを真っ直ぐ見つめた。
「…それに前も言ったけど、婚約する気ねぇから」
「……………………えっ?」
私が目を大きく開くと、はぁ…と呆れたように青葉くんは溜め息をこぼす。
「…勘違いすんな。今日は婚約のことを話そうとしてたんじゃない」
婚約のことじゃなかったんだ…
キッパリ告げる青葉くんに、どこか安心した気持ちになる。