俺様アイドルの甘いキス
「えー!急ぎって何の用事?じゃあ、それが終わったら一緒に食べようよ!」
負けじと可愛らしく青葉くんの裾を掴み、うるうると上目遣いをする。
うっ…青葉くんに触ったりして…!!!
むっとする気持ちを抑えながらも、自信なく私は廊下の曲がり角に隠れた。
「……いまみんなの前に青葉くんに話しかけたら目立っちゃうし…」
また出直そうかな…
「…しつけーな。今急いでんだよ」
………………………え!?
いつもの優しい声ではなく、珍しく青葉くんから冷たいオーラが出ていた。
周りにいる人が、あまりの変わりようにハッと息を呑んで青葉くんを見ていた。
そんなシーンとした廊下で、青葉くんがスタスタと足を運ぶ。
そしてグイッと私の腕を掴み、引き寄せる。
「俺、今こいつと話すから。邪魔すんな」
苛ついた声でそう言い残し、私を無理やり引き連れる。