俺様アイドルの甘いキス
不思議と緑川に抱き締められるのは、嫌ではなかった…
抵抗しようとも思わなかった…
でも私は…
そんな自分が嫌になった。
「…はなして!!!」
どんっと緑川から離れる。
「…緑川…私、緑川がいてくれて本当によかったと思ってる……」
言いながら、涙が再びポロポロと流れ出す。
「入学して、凄く仲良くなって…話も合うし、楽しいし、一緒にいて安心する…本当にかけがえのない存在だと思ってる…」
涙が頬を伝う…みっともない顔をしていると思うぐらい、声も震える。
「じゃあ、あいつじゃなくて…俺と付き合ってくれ」
緑川が真剣に真っ直ぐ見つめる。