エトセトラエトセトラ
「ねえ」
「なに?」
振り返って問うと、明らかに不機嫌な彼女の顔。
「わかってるでしょう」
「……もうちょっと待ってよ。今、貧血気味なの」
再び手元の本に視線を戻す。彼女が後ろのベッドで動く気配を感じた。
「その言葉、何回目?」
「ちょっ……!」
ベッドに横たわる彼女が僕の首元に手を回しぐい、と引き寄せる。首を絞められた格好のまま、僕は動けない。振りほどいたら折れてしまいそうなほど細い彼女の腕が、僕を躊躇わせた。
「……いい?」
「だめ」
僕の首を引き寄せたままその首筋に顔を寄せて彼女は問う。彼女の甘い髪の香りが鼻先を掠めた。