冗談ばかりの彼氏さま
「ねぇ、もう一度 言ってよ。俺のこと好きって」
「や、やだ……椋也と違って、あたしは恥ずかしいの」
「……なに、煽ってるの? そんなこと言われたら、またキスしたくなるんだけど?」
そう言って押し倒して、そのまま抱き締めてくる涼也。
「なっ……なに言ってんのよ、ばか!」
「ま、冗談なんだけど」
結真の安静が一番だから傷が治ってから、いっぱいしようね?と言って、愛しそうにあたしに笑いかけた。
冗談ばかりの彼氏さまは、本当はすごく優しくて、時に意地悪でムカツク時の方が多いけれど……
「冗談は嫌いなんだけど?あたしは嫌ってまだ言ってないもん」
「結真」
「す、……好き、だから……お願い……っ///」
ぎゅっと椋也の首に腕を回して、耳まで熱くなった顔を隠すけれど、きっと君にはバレているのだろう。
「はぁ……理性もつかなぁ、俺」
そんな言葉、耳に入らず
ただ、あたしを受け止めてくれる椋也を愛しく想った。
もう冗談で塗り固められた恋人じゃないって、思える。
あたしの気持ちも椋也の気持ちも
ちゃんと本物だって、信じてる。
大好きよ?冗談ばかりの彼氏さま。
おわり。