冗談ばかりの彼氏さま
「羨ましすぎよ!
あのイケメンな遊谷くんにそこまで言わせるなんて、アンタもやるわね」
「はあ…もういいっ。
翔子に言ったあたしがバカだった」
翔子は、椋也のファンだから……
だから、あたしの味方になってくれないんだ……!
「翔子、目を覚まして!
あんな変態ヤローのどこにときめくっていうのよ」
「あぁっ!いけないんだー!
遊谷くんの悪口言っちゃー」
そう言って翔子は
あたしの頭をグリグリした。
「いたいってば~」
「あはっ♪痛がってる結真も
可愛いー!ほれほれ~」
「若月さん。結真を離してやってよ」
若月とは、翔子の名字だ。
いったい誰が
翔子を呼んだの?と思い、
声のするほうを見ると
見たくなかった顔が
そこにはあった。