冗談ばかりの彼氏さま
「ゆ…ゆゆ遊谷くん!?」
あたしの頭から
手を放した翔子は真っ直ぐ椋也を見据えた。
あのー…翔子さん?
顔、真っ赤ですよ?
「てゆーか…なんで椋也が………ひゃあっ!」
ブツブツと呟いていると
急に体がフワッと浮いた。
それは、椋也に持ち上げられたから。
「人のこと、ぶっ飛ばして逃げるなんて……結真は、おてんばだなあー」
ニコニコ笑いながら
あたしに向かって言う椋也。
うわ……絶対に怒ってる!
「だって、椋也がいきなり……」
「いきなり俺が、なに?」
「~~ッ!!!!」
いきなりキスしてくるからでしょ!バカ!
でも、それ以上
恥ずかしくて言えなかった。
そんなあたしを見て
何が言いたいのか分かったのか面白そうにしている椋也が……ムカツク。