冗談ばかりの彼氏さま
「……可愛い」
「は……はぃ?」
急にあたしを見て、椋也が一言呟いた。
なななっ、なにを言ってるんだ、この人は!?
また あたしの反応を見て
楽しんでる?
だったら
物凄くムカツクんだけど……
「結真。今日、一緒に帰ろ?」
「なッ!なんでよ!そんなの絶対に……」
「俺をぶっ飛ばした罰」
“絶対にいや”そう言うつもりだったのに、言えなかったのは
あたしが逃げたことを
まだ根に持っている椋也が笑うことなく、睨んだから。
……やばい。
断ったら、あたし……
またキスされるか
殺される……気しかしない。
「……わかったわよ」
「ん。いい子、いい子」
そう言った椋也は
ゆっくりとあたしを下ろしてくれた。